皆の為に頑張って計画してきたのに、それを利用して出し抜かれてしまった話。
待ち合わせ場所に、予定以上に早くついてしまった。だから、待ち合わせ場所から現場までの導線チェックをした。行き方を把握できれば、一緒に行くとは言え、皆も安心して行けるよね。
手土産の手配は私が準備をした。それを道中買って、自宅で作った皆の名前を入れたメッセージカードを入れて。電車の中、潰れない様に。その手土産を持って、現場までの導線チェックも終えて、再び待ち合わせ場所へ。
約束の時間の15分前。皆、来るかな。来ると良いな。来るんだろうけれど、ちょっと緊張。どきどき。そして。
待ち合わせ場所には、誰も来なかった。いや、1人だけ来た。
後輩が遅刻、現場へ直行。「前の予定が伸びて」
セカンドも現場へ直行。「遅れまーす。直接行きます。」電車に乗り遅れたのかな?
後は二人。待てど暮らせど来ない。セカンドに連絡。
「もしかして〇〇さんも一緒に現場へ直行?」
「そうでーす。」
…なーんだ。結局1人だけ待ち合わせ場所にやってきた。
そして、現場に行って、驚いた。受付で、後輩が手配してくれていたはずの私の名前が、記載されていなかった。後輩は言った。
「チケットはもう先輩の分と私、二人分、手配したので。」因みに後輩の名前は、そこにあった。
何か…色々ショックだった。
そして更に驚いた。待ち合わせ場所には間に合わないから現場へ直行するはずの二人が、既にそこに、居た。
…え?
私は、びっくりして。何で、既に二人ともいるの?
予定は変わる事もある。けど、一言説明が欲しかった。何よりも、私が逆なでされたのは、隣に座ったにもかかわらず、私達に挨拶も無しに、二人は親しげに話をしている。二人だけの世界。そんな雰囲気だった。隣にいるはずなのに。私は、いたたまれなくて。
そうこうしている内に、後輩も登場。
イベントが終わり、後輩に即駆け寄るセカンド。「〇〇系が好きな子がいるんですが、繋げても良いですか?」「どうぞどうぞ、是非よろこんで」「じゃあ、また連絡しますね。」
そっか。誰に対しても、色々動いてるんだ。
帰りにそれと無く、セカンドと友達に聞いてみた。
「何時ごろ、現場に着いたの?正規の私達よりも早かったね。」
「ああ、着いたのは午前中。僕ら二人でランチをしてたんですよ。それで伸びちゃって、待ち合わせ場所じゃなくて直接行く事にしたんです。」
…貴方とは初対面だから、駅集合にって、後輩はそう決めてたんだぞ。
この日の為に、私と後輩は色々動いた。
・日にちはいつがいいか。
・差し入れは何にするか
・誰が参加するのか
・主催者に連絡をとりつつ。
人には、その文学的イベントに参加する際にそれぞれの温度差がある。
セカンドは、ただそのイベントに乗っかる形で別件(デート)の用事と連立させただけ。
後輩は、飲み会がしたくて、主催者におべっか使いつつ(人脈作り)、飲み会が出来ればそれでいいだけ。
私は、単純にイベントを楽しみたかった。文学的に。それだけ。
それぞれ、思惑はあったのだ。ただ、私が悲しかったのは、そのイベントを利用して、軽い気持ちで合理的に動く彼らの行動に、協調性の無さに、ガッカリした。
何だかな。
これからは、置いてけぼりで良いのかもしれない。
単純に楽しみたかったら、それを主体にとっととちゃっちゃと動く。それが済んだら、後付けで「お好きにどうぞ」的な。
気なんて、使う必要が無かったのだ。
何か…ホント、馬鹿みたい。私が楽しみにしていた皆と見る文学的イベントを、二人のデートに利用されただけで、後輩の飲み会に利用されただけで。
「すいませんね、何もしなくて。」
この意味が、ようやく解った時は、既に1人帰り道だった。
ホント、馬鹿みたい。