どーしよーもないけど何とかなる

日々の恋愛、身体の事、コミュニケーション障害の事、美容の事などなど。その時の気分で書きなぐります!

青山・外苑エリアの完全紹介制の美容院。

学生の頃、通ってた。芸能人が沢山居たけど、皆オーラオフで意外にも普通の人で全く気付かなかった。ヒョロヒョロな兄ちゃん!って人が、某アーティストだったりして、「え?小柄過ぎる。背が小さい!」とビックリしたもんだ…。というか、そういう小柄で小さな人が結構いた。皆…芸能人だった。

そんな業界人御用達の美容院だけれども、所謂追っかけな女性陣達も来ていて、経営上諸々対処しきれなくて、サロンは移転してしまった。移転後は凄く静かで、内装はあまり変わらないけれど、部屋の区分けがしっかりされてて。追っかけな女性陣も見かけなくなった。

腕も勿論悪くないし、素敵な所だった。

でも、唯一嫌だったことがあった。仕事の裏話を根掘り葉掘り聞いてきて、嫌だったなあ。話を広げる為なんだろうけれど…ちょっとね。無理です。守秘義務もあるし。最低限守らなきゃいけない事は、言わないし書かない。なのに、聞きたがる。それも執拗に。

あと、施術の後にデザートが出るんだけど、隣の人は、パックされてるクッキー数枚。私と、他の人は、ケーキにフルーツに紅茶。しかもそれぞれ違う種類のお好みのケーキが出される。予約する時に、たまに聞かれたりするんだけど…。クッキーを出されたお客さんは私たちの方を見て、明らかに待遇が違う、みたいな感じでレセプションの女性に「私、こんなの食べたくないわ。失礼よ。よく出せたわね。他の方々には明らかに違うものを出しておいて。あんまりじゃない?どういうつもりなの?客に対して出すものも余りに差がありすぎるじゃない。」と怒ってた。レセプションの女性は軽やかに笑顔で対応していて、そのままお客さんは手を付けず、お会計をして去ってしまった。

今で言う、塩対応だったのだろう。凄く露骨で、私は悲しくなった。もし、私だったら、惨めな思いで潰されそうだ。私は、一連のやり取りから彼女が去ってからしばらくの間、フォークを持つ気にもなれず、何もできなかった。一口、二口食べて、何だか気持ちが滅入ってしまった。

もう一人、私の隣でケーキを出された女性客も、困惑した表情で、暫く俯いて、結局紅茶に手を着けて、早々にお会計を済ませていたな。

固定客か否かの選別、それと施術中に仕事の裏話やら社内割引をねだって来りだとかして、私はだんだんと嫌になってきた。きっと私も塩対応だったのかな。

そうこうして行く内に、私も他の美容院を探そう、という事でジプシーが始まった。

有名美容院は全て行った。それでも、あの完全紹介制な雰囲気がどこ忘れられずにいた。選民意識が強まったとでもいうのかな、私をどんどん自惚れさせるあの雰囲気が、好きだった。けれど、選別する行為、選ばれた事、私にも塩対応しているという疑惑、色々考えて、優越感にしがみつく事は諦めたんだ。なのに、また、行きたがっている。

理由は簡単だ。有名美容院に通いながらお気に入りのサロンを探している最中に、完全紹介制の美容院で担当してくれていたスタイリストが独立した事を知った。もうその店には彼が居ない事で「戻る大義名分」を得たと思ったから、またあの店に行きたいと思うようになった。

学生の頃や新社会人の頃と違い、私はもう、塩対応されないかもしれない。

自分の商品価値を、確認したいという思いもあるのかもしれない。素敵な出来事があったら、思い切って電話してみようかな。もしかしたら断られるかもしれないけれど。