どーしよーもないけど何とかなる

日々の恋愛、身体の事、コミュニケーション障害の事、美容の事などなど。その時の気分で書きなぐります!

ドラマ「ダメな私に恋してください」が恐怖ドラマにしか感じない。

深田恭子ちゃんが、30代なのに可愛いと騒がれているので、試しに見てみた。

話し方(演技)はともかく、見た目が本当に可愛らしいです!

で、本題ですが…彼女が演じる主人公を見ていて、身の毛がよだつ思いでいっぱいだった。

・勤務先の会社が倒産

・経済的に困窮している状態なのに、好きな男性に貢ぎ、生活は貧困状態

・男性とお別れする

・前職で上司に当たる男性の圧迫気味な言動や態度に抵抗感と若干の恐ろしさを感じていた。

・その男性の意外な一面を見て、アルバイトをする。

・一緒に生活をする。

このドラマは、少女漫画原作をドラマ化したものらしい。

少女漫画とはこち亀両さん曰く「主人公にとって都合が良い偶然や運命のオンパレード」と言った様な事を言っていた気がするし、私もそう思う。だから、ツッコミどころ満載な所は、置いておいて、私が「恐怖ドラマ」だと思ったのは、別の所だ。

これは…まず、勤務先の会社が倒産したところから、彼女の人生の歯車が来るって言ったのだと思う。

衣食住に必要な財力が無くなり、転職活動も難航する(学歴?職歴?)。私も、実は生活が一転した時、冷静でまともな判断力が無くなった事があった。本来ならバカげた行動何てとらないし、そんな場合では無いはずなのに、現実逃避と言うべきか、やたら男友達(学生時代の同級生)と会っていた。恐らく、あわよくば、じゃないけれど、何とか生活が楽になる様な暮らしを下心で狙っていて「安定剤」として彼らを見ていたのだろう。

直ぐ近くの実家に帰る事も出来なかった。見栄があったからだ。学生時代の同級生なら、世間体からしてみても、申し分ないし、その事で自分の気持ちを落ち着かせようとしていたのだ。

結局、おかしな過ちに転落する前に、ちゃっちゃと転職して、また真っ当な生活水準に戻る事が出来たのだけれども。本当に恐ろしかった。思い出すのも、恥かしい気持ちで一杯だった。

深田恭子ちゃん演じる主人公の不憫な所は、(理由は私は知らないのだけれども)転職活動が上手く行かなかった事で、経済基盤が整わないでいるままという事だ。

そして、やはり男性にすり寄って「あわよくば楽して一件落着」したいと思っていた。その後、彼女は転職活動は続けなかったのかな?確か。

そこで疑問なのが、「経済的に困窮状態に陥っているにもかかわらず、貢ぐ」という心理だ。何とかして、結婚したい。その一心で。

これは、最早ギャンブルと一緒で、借金をしてまで「万が一アタりが来るかもしれない」という気持ちで娯楽に走るタイプと一緒だ。

或は、生活保護を受けて、ある程度のお金を受け取ったらその足で、ギャンブルをしてしまう心理だ。

彼女の場合、まずは自分の住まいや節約できるところを見直して、きちんと然るべき社会的資源を活用し、生きるという知識が圧倒的に足りない。

それどころか有り金全部はたいて、男性に貢いでしまう。一種のパニック状況だと思う。それも明らかに冷静さを欠いた行動を彼女は無意識に、それも前向きにドラマでは描かれていた。

確か、彼女は30歳という設定らしい。一般常識も社会的知識もある年齢の女性が、生活が一転した事で、こんなにも人間は「誤った判断力に気づかず墜ちて行く」可能性が、誰でもあり得るという事が、恐いのだ。

いやいや、そんな事は物語の中だから、みんながみんな、そうとは言えないでしょ。と思うかもしれない。けれど、このドラマの恐ろしい所は、手を変え品を変え、色々なパターンで「女性が気が付いたら堕落していく」様子が描かれている所だ。

今度は、前職で圧迫気味の男性上司に対するギャップ効果で心を開き、彼の経営する店でアルバイト、ようやく衣食住に困らず?といった現状に至っている。

しかも、一緒に生活を共にして、歯磨きをする際も一緒、歯磨き粉を男性上司に着けさせたり、婚約者のフリをさせて実家に同行させたり…といった「身の丈を自覚できない」彼女を、男性上司は良い意味で彼女の「無邪気さ」を逆手にとって労働させている。

彼女は自室に入れば、ある程度の文句を言う位の「怒りの感情」を抱いているものの、プロポーズをしたり、どうすれば結婚にありつけるか、こぎ着ける事に邁進したり…。

上司の彼女に対する圧迫的な言動は変わらない。それでも彼女は上司との結婚に諦めない。何とか一般的な生活を送りたい…。

何だか少し精神的DVも入っている様な気がする。

結婚したいがために「この人を好きにならなきゃ」という女性も沢山居る。そしてピンと来なくてフェードアウトしたり、執拗に迫ったり、パターンは色々。

「(ここいらで妥協して、手を打つか)」➡本命彼女としてメッチャ邁進する➡良い嫁イメージを植え込み➡妊娠➡義両親に良い人人格で演技➡結婚。

状況は異なるけれど、「綺麗な形を繕って」何とか同居して、接近戦も可能な状況が出来上がっている環境、そこでどう邁進するか…など、もう「現代」を表すドラマとしてはあまりにも現実的過ぎる。

そして、このドラマ、結構視聴率良いんだっけ?現実離れしてるから?自分と重なる様な現実的だから?深田恭子ちゃんが可愛いから?ディーン・フジオカ?がイケメンとされているから?

私には、不景気によって彼女がキチンと自立できるキッカケを失った事で、人間が、いや、女性が「女性」を使って、身近な男性と結婚に焦る様が、本当に怖かった。

9話を観たのだけれど、なんで本来なら笑うに笑えない危機的状況に陥った女性がどんどんと負のスパイラルに陥っている様が(本人は満足?しているのかな)、こんなに可愛らしいコメディの様に描かれているのだろう、と不思議だったし、このギャップに違和感で一杯だった。

そこで思い出したのは、とある映画だ。

割と最近の米国映画でアカデミー賞女優助演賞を受賞した「The Help」という映画がある。これも、結構笑えない内容なのに、至って前向きに、そして黒人と白人女性達に勇気をもたらす、高学歴女性の専業主婦志向の今だからこそ襟を正して生きていこうという気にさせる、とても意義のある映画だ。

本当に、内容は当時のアメリカの社会文化や政治風土を表した、黒人と白人女性の酷い現実を描いた本当に心が痛む内容だった。けれど、この映画の凄いところは至って前向きで、観るものを中弛みさせず、グイグイと引き込んでいくのだ。

何故かと言うと、女性達の生活ぶり、そして意識が、どんどんと変わっていく転換点を各随所で見られるからだ。

本当なら、「当時は何て酷い時代だったんだ。」「こんな風土だったなんて」と深刻に考えさせられる内容であるが、それを、コメディタッチで「人権を得る」事に一筋の光を描く事で、とても有益な作品に仕上がっている。

一方「ダメな私に恋して下さい」はどうだろう。

負のスパイラルに陥って、それでも圧迫気味な男性に何とか結婚をこぎ着けたい一心で一人の女性が「人間」としての世間一般の生活水準を得る姿は、まだ私には怖い。

それは、「正しい方向を向いて」「正しい努力をしている」様では無からだ。

「The Help」も当時からしてみたら、トンデモナイ行動をした女性の物語だとは思うけれど、今現在の女性からしてみたら、トンデモナイ時代に、当たり前の世界にすべく、「正しい葛藤」「正しい努力」「正しい方向を向いて」「己の弱さと闘って、自立と人権を手にしていく」のだ。

この点が、決定的に「ダメな私に恋して下さい」が持っていない違いだろう。このドラマはリアルナウだからこそ、「正解が見えない」作品になってしまっているのかもしれない。

貧困や人権といったプライドを失くした時、主人公は頭がパッカーンにならずに、キチンと真っ当な行動が出来なかった、人間の弱さともろさを、このドラマは描いている。

ドラマとは言え、余りにも主人公が適切とは言い切れない行動をするので、正直言うと、倒産した会社を去ってから、一種の鬱状態で自分の行動に自覚出来ていないのではないか、とも思ったりした。

にしても、こんなに甘くてコメディタッチにするのであれば、もう少しメッセージ性のあるドラマ作品にして欲しいなあ、と思った。「不況に負けず、男に駆け込まず、頑張れよ!もっとダメな女、いるからさ!」と反面教師的な作品なのだろうか。

深田恭子ちゃんの、プロモーションビデオ作品みたいなものかな?言いたくはないけれど、彼女の動いている姿、声、仕草を見る為の作品、的な。

ちょっと最終回が終わるまで、もう余力が無いのでこの作品は見れない。

テレビの視聴率が全体的に落ちているから、質よりも釣れる作品に注視してるのかな。

にしても、ディーン・フジオカって、深田恭子ちゃんと同じ位の演技なのだな…騒がれているから、てっきり実力派国際的な俳優、だと思っていたけれど、イケメン国際派俳優って枠か。

今、ふと思ったけれど、別に女性に限らず、会社が倒産して転職活動が上手く行かなくて人生につまずいて、本人の自覚無しに誤った道に進んでしまう男性って、居るよね?

深田恭子ちゃんの演じる主人公が男性で借金してまでソコソコ稼ぎのある女性につぎ込んで主夫にして貰えず、前職のキツイ女性上司の意外性に心を許して、今度はそっちに依存出来る様に道を作ろうとセコセコと愛嬌で邁進している様って…どうなのさ。

「ダメな僕に恋して下さい」「君はペット」じゃないけど、女性の都合のよい存在として生きているイケメン。男女逆転にすると解りやすいじゃないか!要するに、衣食住の為に人としての尊厳も、まともな判断力も失い、更にはそれが幸せだと思い込んで…

 

うおおおおおおおおおおお!経済力と精神力、大事!!!