物欲が沸いてきた。

学生の頃、好きだった先輩が結婚した。色々と張り詰めてきた糸が、プツンと切れた。１人暮らしを始めて、先輩以外の人を好きになった。あんなに先輩一筋だった自分に恋が降って来て自分がのめり込んでしまった事が意外だったけれども、初めて恋で「人とお互いの気持ちを共有する素晴らしさ」を知った。

そんな経験があったから余計かな。既に先輩の事は「恋では無くて憧れであり対等になりたかった男性像」であったことに気づいた。

その先輩が、結婚した。子どももいる。

私は、自分の発達障害と向き合って鬱を受け入れて、見栄も捨てて家族に全てを告げて家にいる。のんべんだらりと過ごしながら、これからどうしようと、半ば人生を諦めていたけれど。憧れていた先輩の結婚を機に、「さあ、私！少しずつ気合いを入れていこう！」という気持ちになったし、視界が明るくなった気がする。鬱の薬も飲んではいたけれど、「病は気から」状態だったのかもしれない。それでも脳の機能が働いていない状況である事には変わらないけれども…。それでも徐々に快方に向かっている気持ちはするんだ。

その証拠に、物欲が沸いてきた。危ない危ない。

美容院に行きたい。お財布を買いたい。服を買いたい。バッグが欲しい。海外にも行きたい。色々あり過ぎて、困っている。

大丈夫。私はきっと、元気になるよ。