アスペルガー(スペクトラム)の知人
「僕、アスペルガーなんだよね。手帳もあるよ。不得意な所は〇〇で、こういう時は、周囲の助けや理解を得て、対応してる。」突然のカミングアウト。世間で言う「アスペ」とか「コミュ障」とか、そういう事を一切感じさせなかったし、外見からも挙動不審な所もない。だから、そう言われても「そうなの?全然、至って普通に感じるけれど。」と思った事をそのまま伝えた。
暫くして、「ああ…そういう事か…」と感じる事が起きた。突然、夜中にメールが来た。「手帳ゲットで〇〇割引!ラッキー!」「告白前に恋愛ムードになって性的な話をしたら、怒って帰っちゃった!もう慣れたけどね!」「可愛い女の子と旅行したいなー。可愛い子じゃないと、駄目なんだよねー。」誰得の赤裸々告白は続く。深夜に。
周りが見えず、立場を弁えず、堂々と「何様発言」をするのは、キラキラ女子やナルシストと通じるものがある。ただ、違うのは、非常識の度合いや、悪意の無いお調子者。
昔、電車の中で、知的障碍者の子どもが、女子高生に痴漢をしていた。周囲はドン引きしていて、女の子も「止めて下さい!」と言っても、知的障碍者の為、行為を止めない。
周囲の乗客もどうすればいいのか解らず、と言った具合だ。結局、触りまくったあと、知的障碍者の子どもは何事もなかったかの様に、自分の降りる駅で電車を降りた。
女子高生は大泣きしてしまい、私は彼女の手を取り、駅のホームに、その知的障碍者を追いかけた。小さな駅の為、ホームに駅員は一人。その人影すら見えず、結局改札口付近にいる駅員らに事情を説明した。
「この子です。彼女にこんな事してました。」
すると、駅員は察した様で「話、理解できるのかな…」と言った。高校生は泣きながら駅員に対応、疲れ切ってしまい、控室?の簡易ベッドで横になった。傍にいた私に、ずっと彼女は「もうこの電車なんて使いたくない。もう、障がい者の人権とかいらないじゃん」みたいなことを言っていた。
その後、知的障碍者の子は家族も呼べず、駅員同士で「頭パッパラパーだわ…こりゃ訴訟も難しいな…」と言っていた。
脳機能に障害があるから、何をしても「しょうがない」で済まされるのだろうか。被害を受けた女の子はご家族や学校に連絡をし、その日から約数日間は休んだそうだ。
後日、わざわざご両親と一緒に私の自宅まで(!)お礼の果物を持ってやってきた。そんなつもりじゃなかったのに。。
誰も助けてくれなかった中で、手をグイグイ引っ張って、何とかここまで対応してくれたのも、駅員が対応中の時もずっと傍にいてくれたのも、貴女の正義感や理解があったからこそ、みたいな事をいわれたけど…。違うんだよね。私が行動したのは、そういう褒められる理由じゃなくて、ただ単に、周囲に対する見せつけだったんだ。
なんで『しょーがない』『どっちも可哀想だよね』とヒソヒソ言ってるのか理解できなかった。「こーするんだよ!」みたいな怒りが原動力で、彼女の手を引っ張って、気が付いたらホームに降りた知的障碍者を追っかけていた。
「今日は通常授業?テストとか無い?事情を説明すれば多少遅刻しても平気?」とか何とか聞いた気がする。本当に、自己満足。
深夜に突然届いた不可解なメールや俺日記を読まされている私は、彼女と比べれば不愉快な思いは雲泥の差だとは思うけれど。
アスペルガーの知人のやり取りをして、初めてアスペルガーによる不愉快を経験した私は、改めてもどかしさを実感した。
歯止めが効かない性的な内容は、もうこちらで毅然とした対応を取るしかなった。丸で教師の様な文言、叱り方。それでも反省する態度は見受けられず「へーそっかー。」もう一度問いただすと「きーつけます。ねーねーこんな話は知ってるー?足湯のさー…」
もうキリがない。社会的弱者が見限られてしまう理由、福祉の限界、ほんの氷山の一角の、それも程度の低いことかもしれないけれど、私は既にアスペルガーの人による迷惑に嫌と言うほどウンザリしてしまった。
一見大丈夫、だと思うからこそ、突然豹変し降りかかってくる災難。しかも社会からの御咎め無し。二重人格とも違う、酒に酔って人格が変わった訳でも無い。テロ襲われた気分だ。
今、スペクトラムと言う症状が公に発表されて久しい。
きっと、皆